笹塚diary

渋谷区笹塚を愛し、この場所で生活するシングルマザーの日記

2024.1.20:馴染む街

土曜日は息子の希望でお弁当ではなく購買でパンを買う日。昼食代を持たせて息子を学校に送り出し、午前中は笹塚の恋人の家へ。

ブランチ代わりにお餅を作った。ホームベーカリーを買ってからこれが二度目の餅づくり。一度目は慎重に冷ましてから取り出したが、二度目は「もういいんじゃない?」と熱いまま取り出してしまい、形にならない餅の扱いに困った。冷水を手につけなんとかまとめ、あつあつのお餅をきなことあんこに絡めて食べる。餅づくりは、こんなバタバタも楽しい。

休日出勤する恋人を笹塚駅まで見送り、息子が帰ってくる夕方までは一人の時間。紀伊國屋書店に寄り、十号通り商店街入口のサミットへ。残りの餅でつくることにした明日の雑煮の具材と、我が家の夕食の食材を買って家に帰ることにした。

笹塚のスーパーでいつも感心するのは、レジの列の流れが速いこと。この街には、買い物が少量で済む単身者や、キャッシュレス決済で支払いを済ませる若い人が多い。

街を歩いていてもあまり子どもを見ないし、他の街よりもカップルが多い気がする(下北沢や代々木上原の方はもっとそうだろうけれど)。それでいて、幡ケ谷や明大前のようなにぎやかさはない。新宿や渋谷に近いのに、妙な落ち着きを保つこの街は、今の自分にしっくり馴染む。本来の自分はこの街に住む自分だったのかもしれないとさえ思う。

息子を育てながら10年住んだ東部の下町にはずっと馴染めなかったのだ。

保育園がたくさんあるので、自営業者の子どもでも入園できるかもしれないという理由で引っ越した街。子育て世代が多く住み、育児サポートもたくさんあったのに、なんとなく落ち着かなかった。私の居場所はここではないという感じがずっとあった。

たくさん買い物をする人たちですぐ行列になるスーパーのレジではヤキモキし、子どもであふれるファミレスからは早く帰りたくなり、ファミリータイプのマンションが立ち並ぶ均一な街並みを見ると、心がすり減る気がした。また、いつまでもぎこちなく少し緊張しながら少年野球の応援をしていた。

ご近所さんに恵まれ、街を歩けば知っている人に会って挨拶をかわし、行きつけの店で常連さんたちと会話をしながら食事をした。子ども向けの本が充実した図書館は便利だった。だけど、最後まで私は、母親になった私に優しいあの街に慣れることができなかったのだった。