笹塚diary

渋谷区笹塚を愛し、この場所で生活するシングルマザーの日記

2024.4.27:恋人の家族と食事

舞台「鴨川ホルモー、ワンスモア」を観に行くことになった。

子育てをしているうちにエンタメやカルチャーの世界から距離を置いてしまう人は多いと思う。幼い子どもを誰かに預けて外出するということは、物理的にも心理的にもかなりハードルが高いこと。「いつかこの子の手が離れたらまた」と思っていても、諦めを重ねた先にはもう興味を失っている(そしてなぜか、新たにダンスやスポーツを始める友人が周りには多い気がする……)。

私自身もいつからか、何かを軽い気持ちで観に行くということがなくなってしまった。誘われたから「とりあえず」観に行ってみる、声をかけてもらったから「とりあえず」顔を出してみる、本当はそういうところから世界は広がっていくものなのに。

乃木坂の清宮レイちゃんが出るということで、恋人が誘ってくれた今回の舞台。レイちゃん以外に知っている出演者はいない。これはなつかしの「誰かに誘われたから観に行ってみる」というやつだ! 先日の町屋さんのトークイベントも彼の誘いがきっかけだった。こういうことを通じて、また自分のテンポを取り戻していけるような気がしてうれしい。

舞台が始まる前に、彼のお母さんとランチでもという話になったのだけれど、その日は先にお父さんと妹さんとの食事の予定があったらしく、急遽、恋人と私もそこに合流する形になった。

緊張した。なんて言ったって、これまで結婚はしないと言っていた息子が、ここにきて中学生の子供がいる10歳上のシングルマザーと付き合っているなんて、親御さんも心配でしょう(彼のご家族には一度、偶発的にご挨拶をしたことがあり、面識はある)。一方で、40にして、また、子供もいるというのに「恋人のご家族と食事をする」なんていう状況が生まれるとは。やはり人生、何が起きるかわからないものだ、というしみじみした思いもあった。

彼のご家族の雰囲気はなんとなく自分の生まれた家に似ていた。気さくなお父さん、無邪気なお母さん、私を気遣ってくれた優しい妹さん。私の実家にも、無邪気な父と元気な母、そして優しい弟がいる(彼と妹さんと同世代で、同じ大学出身)。緊張はしても、この中で自分自身を異物だと感じなかった。また、恋人が私の実家に来てもすぐに馴染む気がする。彼の考え方が自分と似ていると感じたり、一緒にいてしっくりくる理由はこういうところにもあるのかもしれない。