笹塚diary

渋谷区笹塚を愛し、この場所で生活するシングルマザーの日記

2024.4.21-23:希望のかたち

4/21
朝から息子の練習試合の応援へ。結果は惜敗だったけれど、また一段とチーム全体の動きが良くなった気がする。チームメイト一人ひとりの成長が、自分の子の成長と同じようにうれしい。

家に戻り、お昼は恋人と「uni-BAR」へ。二週連続で海老カレーを食べる。外は気持ちの良い天気。お店の大きな窓が全開になっていた。春の風を感じながら食べるカレーはいつもに増しておいしい。今日はカレー日和だ、としみじみ思う。

ピンボケしてしまった

午後の試合は息子の父親が応援しに行くことになっていたのだけれど、やはり私も行きたいと思い立ち、再度家を出た。しかし電車を一本乗り過ごしただけで乗り換えのタイミングが悪く、試合終了の時間に間に合わないことが判明。断念して途中の駅で降り、引き返して帰ってきた。息子は私が再度応援に行こうとしたことさえ知らない。あーあ、何やってるんだろう。

駅まで迎えに来てくれた恋人とカモをみにいく。つがいに新参ガモがちょっかいを出し、そこにハトやらムクドリやらの羽ばたきが加わってなんだか大騒ぎの玉川上水。その様子を見ているだけでも飽きない。
恋人の家に戻って、町屋良平さんの「生きる演技」を読み終えた。圧巻だった。しばらくこの世界に戻ってこれない。彼と何かを話していても、すぐに作品の話に戻してしまう。

夜は栄湯へ。湯舟につかって天井を見上げる。オレンジ色の灯りがぼやけて見えて霞のなかにいるみたい。駅ビルのフレンテに寄ってお寿司と中華総菜を買って帰り、二人でのんびり晩酌をする。

日中、電車で引き返した直後はとても落ち込んだけれど、その後の過ごし方で案外気にならなくなるものだと思った。悔しさも薄れた。それは希望だ。希望のかたちに気づけてよかった。

いつもの日曜日と同じく、乃木坂工事中を見て眠る。思い立って、6月のアンダーライブを申し込んでもらった。当たりますように。

4/22
仕事の休憩時間に行きつけの歯医者へ。二日ぶりに八重歯が入った。

窓際にかわいらしいノラネコぐんだんのフィギュアが並んでいたので、思わず「ノラネコぐんだんお好きなんですか」と先生に尋ねると、「吉祥寺のジムへ通っているんですけど、その待ち時間にガチャガチャをやったりするんですよ。このフィギュア、すごくできがいいですよね」と、意外にも雄弁な返事が返ってきた。

2年ぐらい前からこの歯医者さんには通ってきたのに、ここにきて、しかもこの短い間にずいぶんこの先生のことに詳しくなったな、となんだか愉快な気持ちになった。

5年前の「ノラネコぐんだん展」でgetした戦利品

4/23
夜、古谷誠一の写真集「ChristineFuruya-GosslerMemoire: 1978-1985」を眺めていると「何を読んでるの」と珍しく息子が覗き込んできた。

この写真家はずっとこんな風に奥さんの写真を撮っていたんだけど、この後、この奥さんは幼い子供を残して自殺してしまったんだよ、と話すと「え、怖っ…」とつぶやく息子。

まあ、中学生だもの、そういう反応だよねと思ったが、息子はしばらくして「いや、『切ない』だね」と言い直した。彼の口から切ないという言葉を初めて聞いた気がする。

この写真家が投身自殺をした直後の妻の姿を撮っていたことを話したら、息子の口からはどんな言葉が出てきただろう。