笹塚diary

渋谷区笹塚と秋が好きすぎるシングルマザーの日記

2024.6.30:やっぱり笹塚が好き

昨年の写真を眺めていたら、とってもおいしそうに撮れていた(そして本当においしい)「うにマリゲリータ」が食べたくなって、久しぶりにキャンティへ行くことにした。本店の方は行列ができていたので、駅前のイルキャンティへ。

昔から私にとって笹塚はキャンティの街だった。下高井戸に住んでいた20代の頃は、仕事帰りにわざわざ途中下車して訪れていたぐらい。今もキャンティがあるからなかなかほかのイタリアンへ行こうという気にならない。それぐらい信頼を置いているお店だ。

この写真を見返して行きたくなってしまった

初めて頼んだ「イカとノリのスパゲッティ」は、しっかりコクがあるオイルパスタだった。海老やムール貝などの海鮮がのった名物のカリブサラダを、瓶に入って提供される名物ドレッシングをたっぷりかけていただく。大きなピザとこんもりパスタにお皿いっぱいのサラダ、テーブルに並んだ時には食べきれるかな、と思うほどのボリュームに見えたけれど、あっという間にたいらげてしまった。しみじみ、やっぱりキャンティは最高だよね……と言い合う。

店を出ると自転車で中野通りを北上し、東高円寺蚕糸の森公園へ向かった。

5月下旬に池のカルガモのヒナが孵ってから毎週末のように足を運んでいるのだけれど、見るたびにものすごい速さで成長していて驚く。カモ友さんのインスタに投稿されている、二か月前に生まれた金沢駅前のヒナたちの写真よりも大きく見える。

左上で子どもたちを見守っているのがおかあさんガモ

池の環境が良いのかもしれない(この池は鯉も大きい)。鳴き声はまだヒナだけど、遠くから見るとすっかり「ふつうのカモ」だ。数は先週と変わらず、11匹そろっていた。

天敵がいない人間でも、子ども1人だって育てるのは大変なのに、小さなヒナ11匹をこんなに大きく成長するまで育て上げるなんて、同じ母として尊敬してしまう。つがいでいたころは、オスに見守られながら周りのことなんて全く気にせず夢中でごはんを食べていたメスが、子どもを産んだ後はオスから離れ、四方八方に泳ぎ出す子どもたちが敵に襲われないよう常に目を光らせ、縄張りを犯すものがいれば同じカモでも激しく追いやるようになる。カルガモは逞しい。

雨の合間を縫って笹塚に戻り、栄湯へ。金沢でサウナを初体験してから水風呂にも入るようになり、今ではすっかり温冷浴にはまっている。

夕食は広島お好み焼き(おっこん)が食べられる「鉄板ベイビー」へ。

珍しく椅子席に案内された。ここは昔、大学院時代の先輩と一緒に来た時に座った席だと、彼が懐かしそうにしている。

都内で一人暮らしを始めようとしていた彼に「それなら絶対笹塚がいいよ」とすすめてくれたのがその先輩だったそう。12年以上笹塚一丁目の小さなアパートに住み、笹塚をこよなく愛し、この街の生活を満喫していた人。甲州街道を渡って十号通り商店街のマッサージに行き、栄湯へ寄って、帰りに鉄板ベイビーや茶日でご飯を食べるのがお決まりのルートだったという。彼が笹塚に引っ越してきてからほどなくして結婚が決まり、「笹塚を頼んだよ」と言い残してほかの街に引っ越していったらしい。

その先輩が大学から帰宅する際、毎回「ここからバス一本で帰れるから、やっぱり笹塚はいいんだよな」と言っていたという話が大好き。この街にいても、ほかの街に出かけても、やっぱり笹塚はいいんだよね、と私も思う。アクセスがいいとか、おいしいものがあるとか。何かにつけてすぐ「笹塚がいい」理由を見つけてしまう。

この日も、銭湯を出てからすぐにこんなにおいしいお好み焼きが食べられるなんて最高だよ、だから笹塚が大好きなんだと熱弁しながら水道道路を歩いて帰った。完璧で幸せな一日だった。