朝は息子を送り出し、笹塚へ。ブランチに大好きな「SASA」のパンをいただく。お店のショーケースには、たまに出るエクレアメロンパンとアーモンドクロワッサンが並んでいて、小躍りして喜んだ。この日の日替わりパンは「ちくわパン」。最近になって作り始めたそうで、誕生の秘話を聞いたら買わずにはいられなかった(そしてとってもおいしかった!)。

SASAにはかれこれ2年ぐらい通っているけれど、この夏、夜のバー営業に足を運んでから、店主さんといろいろなお話ができるようになった。飲食は人をつなげる。こんなにもおいしいパンを作り手の方から直接買えるというのは幸せなことだ。
SASAのある笹塚は最高だと思うし、最高な街にSASAがあってうれしい。
夜は新・プロジェクトXを息子と観た。
親としては、将来について考えあぐねているぼんやり息子に、この番組を通じてこんな仕事もあるのか、働き方もあるのかと知見を広げ、あわよくばめざす道のヒントを見つけてほしいなんて願っていた。
しかし私自身、実は「はやぶさ」についてはよく知らず(ちょうどこの時期、息子が生まれたばかりでてんやわんやの時期だった)今回、初めて詳しい概要を知った。
地球に帰還直前、燃料も尽きて満身創痍のはやぶさが、ぱちりと地球の写真を撮って送ってきた、その写真が美しく、その後、カプセルを地上に落下させたはやぶさが大気圏で燃え尽きたところで涙が出てしまった。
なんていじらしく、かわいらしく、切ない探査機だろう。関係者の皆さんがわが子のように思い、また、この探査機が多くの人の心をつかんだ理由がわかる気がした。
10年前の今日、6月13日、「はやぶさ」が最後に撮影した地球です。(©JAXA) pic.twitter.com/gYk3Viu2ba
— ISAS(JAXA宇宙科学研究所) (@ISAS_JAXA) 2020年6月13日
10年前の今日、「はやぶさ」が地球に帰還。小惑星イトカワからの貴重な試料を届け、燃え尽きました。 pic.twitter.com/5skE6teZ9f
— ISAS(JAXA宇宙科学研究所) (@ISAS_JAXA) 2020年6月13日
息子に番組の感想を聞いてみると、高校時代の川口さん(プロジェクトリーダー)が、体育で皆が選びたがらない「つり輪」を選択していたことと、スタジオにゲストとして訪れた川口さんがきれいな白髪でいらっしゃることが気になったとのことだった。あんな風にきれいなグレーヘアにはどうしたらなれるのか。と。
一応今回は、「研究者たちが英知の限りを尽くして挑んだ3億キロのかなたの奇跡の物語」である。何か、もう少しないの?とぼやいた私に、息子は「お母さんだって『はやぶさかわいい、はやぶさかわいそう』しか言ってないじゃないか」と呆れ顔になった。
確かにそうだ。すみません。
【追記】
はやぶさのエンジントラブルの際の川口さんによる手記を読み、再び泣いてしまった。
「はやぶさ」の帰還がせまるなか、2009年11月、すべてのイオンエンジンの寿命がつき、運用停止に追い込まれた。だが、われわれプロジェクトは、彼をあきらめさせることなく、動くものはなんであれ動員してあらためて走りださせることに成功した。いや走らせてしまった。運用再開を喜ぶなかで、私は、若干複雑な気持ちも併せてもっていた。「はやぶさ」は、本当は帰還を嫌がったのではないか。知ってか、知らずか、「はやぶさ」を待ち受ける運命は、大気再突入で燃え尽きることだ。もちろん、子のカプセルを運び、ともかくも所定のレールに載せた後にはなるのだが。
どうして君はこれほどまでに指令に応えてくれるのか?そんなにまでして。イオンエンジンの運転が再開したとき、そんな気持ちをもってしまった。われわれが、方策を考えあぐねていたならば、それは君を救う道だったかもしれない。使命を全うするのか?それとも、いやいやをしたいのではないのか。「はやぶさ」にはぜひがんばってほしい、と思う反面、その先に待つ運命は避けられないものかと思う。空力的に大気でジャンプする案など、力を得ることもできるのだが、度重ねた検討によっても、熱の壁が先に来てしまい、救えないことはわかっている。